開発秘話

01 開発のきっかけや経緯は? 誰を相手に特訓すればよいか?
を考えた結果がヒューマンドール誕生のきっかけです

私が47歳の時、自宅で筋トレをしていましたが、筋トレだけでは物足りなくなりました。当時ブームだった格闘技をしてみようと思い、近くにあるブラジリアン柔術の道場に入門しました。ブラジリアン柔術というのは、皆さんが知っているグレーシー柔術で、道着を着て絞め技、関節技を主体とする格闘技です。柔道とよく似ていて、当時柔道4段でもあり、いささか自信を持って入門しました。道場では最高齢で、指導してくださる先生よりも7歳年上でした。ところが、練習を開始するも、道場の皆さんがあまりに強くて、誰と練習してもボロ負けしました。一回の練習で10回ほど絞められ、関節を極められ「参った」をしました。
当初、私は「まだ慣れないから負けたんだ」と思っていたのですが、2~3か月経っても同じように負け続ける始末。極めつけが、20歳代の細身の女性にも手首の関節を決められ負けてしまいました。私は「このままではだめだ!何とかしないと!」と思い、考えたのが自宅で特訓することでした。そこで、妻を相手に練習をしようと「ちょっと腕を貸して」と言って妻に関節技をかけようとしたところ、 「痛いからイヤ!」と言われてしまいました。

いったい誰を相手に特訓すればとよいか?を考えた末「等身大の人形があれば練習できる!」と思いたち、インターネットで練習人形を検索しましたが、どこにもありませんでした。「無いのなら自分で作ろう!」と、カカシのようなものを作ったのがきっかけです。そして試作を重ねるうち “人間そっくりの可動域の関節付き人形“ へと進化していったのです。格闘技するにおいて、日ごろ私は「どうしたらケガせずに、早く上達が出来るか?」と考えてきました。
そこで考えたのが、このヒューマンドール®柔道練習用人形です。

この人形を使えば、ケガすることもさせることもありません。人形を使って技を研究すれば得意技を増やすことができ、ライバルに差をつけて、誰よりも早く強くなれるはずだと思いました。道場の休みの日や仕事で行けない日に、自作の簡単な人形を使って技の研究を続けました。すると、5つほどの得意技だったのが、20ほどのワザを覚えることができ、道場での実戦練習に大いに役立ちました。
人形を使った自主練を始めて3か月が経つと、道場の皆さんと対等に戦えるだけでなく、勝てるようになりました。
その結果、ブラジリアン柔術の紫帯を習得しました。

柔道練習用人形を使って新しい技を覚えるたびに、道場での対人練習で実践してみました。 DVDを見ながら家の練習用人形で技の予習をし、実践で技を試し、また家で技の復習をする。 この流れがとても効果的な技の習得パターンとなったのです。

実際に技が極まると、嬉しくてたまりませんでした。道場で練習するのが、本当に楽しくなりました。
「この喜びを、自分だけしか知らないのはもったいない!」
「練習方法を模索している多くの人、この人形を必要とする人に知ってもらいたい!」
という思いが、私を会社設立へと駆り立てました。

02 特許申請のきっかけはどんなことでしたか? 怪我を減らす為、強くなって自信をつけたい人の為にも、
練習用人形を作ろうと決めました

開発秘話

更に私は、柔術の技を学んだおかげで、52歳の時に柔道5段に昇段しました。
得意技が多くあれば、相手は防御しきれないため、容易に勝つことが出来ることが実証できたのです。「誰よりも多くワザを覚えることこそが上達の近道だ。この人形を使って自宅で練習すれば、年齢や体格など関係なしに、誰でも強くなれる!」と確信しました。初心者のうちは弱くても、技をたくさん身につけることで「百年に一人の逸材」と呼ばれる可能性があるのです!また、柔道は危険なスポーツでもあり、怪我人が少なくありません。怪我を減らす為にも、強くなって自信をつけたい人の為にも、練習用人形を作ろうと決めました。

そこで休みの日に、自宅の一室で試作を続け、さらに2年経った頃、ヒューマンドールの基本構造が出来ました。特許申請したところ、2015年に特許認定されました。
さらに「この人形は、私以外の誰かの役に立つはずだ!」という思いが強くなりました。
2020年東京オリンピックが決定したことで、「強くなりたい人のために練習用人形を普及させたい!」との思いから31年勤めた警察を早期退職しました。なぜかというと、定年退職後では東京オリンピックに間に合わないからです。昨年10月の会社設立と同時に、本格的にヒューマンドールを作り始めました。

03 開発で「苦労したポイント」「こだわったポイント」は? 支えなしに二本足で立ち、投げても壊れないようにし、
立つ・座る・正座の三つが出来るようにすることにこだわりました。

寝技の得意技を増やす必要性から、自主練ができる人形の機能を開発していきました。
「自分が欲しい機能を備えた、自分が使いたい人形。自主練の結果が出る人形」が誕生しました。元々は寝技対策として作った武道人形でしたが、立ち技・投げ技にも対応する人形も開発しました。それが自立型【等身大】スポーツ練習人形です。

苦労したポイント

  • 支えなしに二本足で立たせること
    バランスを保つ
  • 投げても壊れないようにすること
    強い衝撃に耐える

こだわりポイント

  • 立つ・座る・正座の三つが出来るようにすること
    柔術の練習には、正座の体勢が必要

04 ヒューマンドールの販売してよかったことと、今後の展望はありますか? 様々な分野で新風を吹き込むために使用し、
技術の向上や開発に役立ててほしいです。

現在、東海大学柔道部で部員の練習相手として活用されています。
またスポーツ医科学研究所や大学院において、研究材料として使用されています。
東海大学 体育学部 武道学科教授の宮﨑誠司先生が弊社のHPを見つけてくださり、東海大学に納入しております。柔道によるけがの予防についての研究に、ダミー人形としても活用していただきます。宮﨑先生は整形外科医のチームドクターとして、オリンピックにも同行されています。
医療系人形は大学(大学院)、国立長寿医療研究センター、専門学校・養成学校・介護事業所・柔道整骨院など。
ダミー系人形は警視庁・国民生活センターなどの官公庁をはじめ幅広い業界の企業の商品開発部などで、データ収集・検分に大活躍しています。
柔道界の発展はもちろん、ケガのない練習方法の研究、楽しみながら自信をつける練習相手として、弊社の製品が役立つことを願って止みません。

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